
「地方へ引っ越したので紹介状を送ってほしい」
外来に定期的に通院している患者さんから、そんな電話がありました。
すでに引っ越しは無事に終わったとのこと。
しかも、「薬がもうすぐ無くなるので急いでいる」
と言うのです。
でも、大きな病院って紹介状1枚送るだけでも、意外とたくさんの人が関わるんですよね。
医師だけではなく、
医療事務・地域連携・郵送準備など…。
さらに紹介状代は、銀行振込や現金書留などでお支払いいただき、入金確認後に発送となります。
そのため、どんなに早くても2週間ほどかかりそうな状況でした。
ドクターが紹介状を書き終えても、
「はい、すぐ発送!」
とはいかないんです。
「どうしよう?」困った。
薬が切れそうなのに、紹介状の完成を待っていたら間に合わないかもしれない…。
どうしようかと看護師さんに相談してみると、
「次の病院、紹介状なしでも受診できないかな?
その病院がOKなら、それでいいんじゃない?」
と言われました。
あ…そうかも。
なんだか私は、
「病院を変わるなら紹介状が必要」
という固定観念に縛られていたんですよね。
経験の差ですね。
もっと柔軟に考えないといけません。

今回は個人病院だった
今回、患者さんが受診予定だったのは個人病院とのこと。
個人病院なら、紹介状なしでも受診できる可能性は高そうです。
もし次に行く病院が大きめの病院だった場合、
紹介状なし
↓
選定療養費がかかる
↓
だから紹介状が必要
…という流れになることが多いですよね。
私はそこばかり考えていて、
「まず受診できるか確認してもらう」
という発想が抜けていました。
私が勤務している病院は急性期病院で、地域の2次医療を担っています。
症状が比較的重い患者さんを受け入れる役割の病院なので、紹介状なしで受診すると、診察代とは別に選定療養費がかかるんです。
だから普段から、
「紹介状が必要」
という感覚が強くなっていたんですよね。
↓「2次医療ってなに?」という方はこちらの記事へ。
もちろん、個人病院であっても、定期的に通院していた患者さんなら紹介状があった方が安心です。
今までの経過や治療内容がわかれば、次の先生も状況を把握しやすいですし、患者さん自身も説明の負担が減ります。
なので、紹介状があった方が良いに越したことはありません。
そして私は患者さんに、
「まず〇〇さん自身で病院へ問い合わせをして、事情を話し、紹介状なしでも受診できるか確認してみてはどうでしょう?」
と提案しました。
さらに、
「もし“紹介状が必要です”とか、“選定療養費がかかります”と言われたら、またお電話くださいね」
とお伝えしました。
実際はどうなった?
その後、患者さんから再度連絡はありませんでした。
おそらく無事に受診できたのかな…と思っています。
もちろん、病院によって対応はさまざまです。
でもこのときは、看護師さんに助けてもらいました。
経験が浅いと、どうしても普段のルールや流れに引っ張られてしまって、そこから外れた考え方ができなくなることってありますよね。
私自身、
「紹介状が届くまで待つしかない」
「何週間も受診できない」
…とは限らないんだな、と改めて感じた出来事でした。